隣の席のキミ
気がつくと私は藤田に向かってバカでかい声で叫んでいた。
いや、何やってんの、私!!!
今の、藤田より私のがバカだよ!!!
言い終わったら急に恥ずかしくなって、あたふたし始めた。
ど、どぉしよう…!!
藤田に聞こえてませんよーにっ!!!
だ、だって今の、勝手に私が嫉妬して……。
別に、遠くにいる二人が怪しい関係って分かったわけでもないのにっ!!
私のバカ!どアホ!
恐る恐る藤田のいる方に目をやると、藤田は私に向かって大きく手を振っていた。
そして返ってきた言葉。
「お前よりましだぁ――――っ!!」
………
………聞こえてたんだ…
いっきに顔が赤くなって、後ろを向く。
遠くにいたって恥ずかしいよぉ!!
自分で叫んでおいて、藤田の返事をシカトするなんて…せめて手、振っとけばよかったかな…?
でも、いいや!
恥ずかしいし…!
そして今日の夜。
藤田から初めての電話があって、彼の第一声は「昨日、あれからシカトしたろ(笑)」だった。
「ごめん、目にゴミはいっちゃって…目、痛かったから…」