隣の席のキミ
私には考えられない。
あんなにウザいことしちゃったのに…。
「本当に本当はウザかったでしょ?」
私がもう一度聞いたら、やっぱり同じ答えが返ってきて。
「マジで嬉しかったから。まさか山城が嫉妬してくれるなんて思ってなかったし…」
電話ごしで喋っているのに、藤田の表情が分かった気がした。
きっと君は今、照れている。
「私はいつでも藤田しか見てないから、少しのことでも嫉妬しちゃうよ…?」
言葉の最後の方、少しだけ私の声は震えた。
「それ、俺も…一緒」
耳元で囁かれた優しい声。
耳から頬がいっきに熱くなる。
ん…よかったよ、藤田。
私は君と同じ気持ちで、君は私と同じ気持ちなんだね。
その後は、くだらない世間話をして涙が出るほど笑い会った。
――――そして翌日。
10時に駅前集合ということも忘れ、せっかく私を起こしてくれたアラームさんを止めて、二度寝して起きたら、今9時半。
寝癖を手でとかしながらボーッと時計を見つめるパジャマ姿の私。
うん、やっぱり9時半だよ。