【短】涙弱男
「……本当に一人でできんの?」


また泣いて、すがってくると思ってた。


だけど真っ直ぐな目で、キッパリと言い切った。


「する」


……ふーん、あっそ。


「じゃあな」


やれるもんならやってみろ。


皆でしてた作業中も、キーボード打つのは遅いし、大事なプリントは失くすし、田中の頭にジュース零すし……

まるで役に立ってなかった。


いや、むしろ、邪魔だった。


そして最終的には涙を流して”ごめんなさい”だ。


俺が何度狂いそうになったか、アイツは知らないだろう。


泣き虫女にできるわけない!


バタンッ
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