二郎

大きく羽を広げる孔雀

二郎は自分にあまり興味をしめさない女には意地になるのか、時間があれば私に電話をしてくる話の内容はいつも同じで、どこで何をしてるか尋ねた後は二郎の話だ今日は教頭に文句を言われたとか県教員が口うるさいとか教師であることの不満など、たまに今は忙しくてお店に行けなくて悪いな、などと、あたかも私がお店に来てくれと頼んでいるような話しかたをする。そして私がもうプライベートな付き合いをしないと感じたのか、たまに突然にお店を閉めるきわに来て、飲みに行こうと誘ってくる。まだ仕事がありますからと、断ると終わるまで待ってるからと強引にさそいだす。流石に居座れるとお客さんだし無視するわけにもいかなく近くの居酒屋まで少しの時間付き合う事になってしまう。多分愛人と揉めてうさばらしをしたかったのだと思う。二郎は自分の人脈の広さや、二郎には奥さん以外は怖いもの無しだとか自分の家系の自慢話をするのがすきで、まるで雄の孔雀が立派で美しい羽を大きく広げ自分をアピールしてるかのようだ、何の目的があるのか、やたらと口説いてくる。愛人やその他多数の女がいるからもう良さそうなものの、そのうちに毎週土曜日になると、お店を閉める時間を見計らって毎週来るようになった。
< 10 / 17 >

この作品をシェア

pagetop