二郎
母性本能
二郎が急に私の膝に顔を埋めてきた。私は慌てたが、避ける暇もなく、二郎は俺は疲れたと言い出した。みんな俺に頼ってくるけど、俺には頼ったり愚痴をこぼす相手もいない。こんな話ができるのはお前しかいないから俺の癒しになってくれと言いながら私の膝に顔をこすりつけてくる。二郎の意外な一面を見た私は愕然としたのと、私は母性本能をくすぐられるのに弱いいつの間にか、二郎を癒してあげたいと思いだした。でも、やはり奥さんの存在は認められても愛人の存在まで認められない。私も女の意地がある。正直、二郎に心は揺れたものの、きっつぱりと縁を切りたいと思う気持ちの方が強かった。何度振り切っても二郎はあの手この手で攻めてきた。それどころか私は勝手に二郎の女にされていた。私は確信した。二郎は狙った獲物は逃がさない。たまに愛人の欠点を話して私の気を引いたり、あげくのはて奥さんとも愛人とも別れると言い出した。でも、私は結婚願望は無いので、奥さんの事は別に気にはならなかったが愛人の存在は別で愛人とさえ手をきってくれるなら何の問題はなかった。二郎もしびれをきらしたのだろうか、かなり強引になってき一緒に飲みにいくはづが、ホテルに連れ込まれたりで、でも愛人と別れない限り二郎とは深い関係になるつもりは無かった。