恋の香り~ダブルクロス~
ちょっぴりうれしいような寂しいような……
でも、わたしばっかりがドキドキしてて、やっぱりくやしい。
「……何かさ、あの頃より大きく感じねー?」
「え?」
イルカに夢中になってたと思ってた優斗がわたしを見た。
「若葉と最後に行ったあの日のこと、覚えてる?」
「え……何だっけ?」
あの日のこと? ってか、いつが一緒に行った最後だっけ?
「はぁ? 真面目に覚えてない?」
「……うん」
「ありえねー」
優斗が頭を抱えて水槽に寄りかかって、ため息をついた。