恋の香り~ダブルクロス~


ちょっぴりうれしいような寂しいような……
でも、わたしばっかりがドキドキしてて、やっぱりくやしい。


「……何かさ、あの頃より大きく感じねー?」


「え?」


イルカに夢中になってたと思ってた優斗がわたしを見た。


「若葉と最後に行ったあの日のこと、覚えてる?」


「え……何だっけ?」


あの日のこと? ってか、いつが一緒に行った最後だっけ?


「はぁ? 真面目に覚えてない?」


「……うん」


「ありえねー」


優斗が頭を抱えて水槽に寄りかかって、ため息をついた。





< 106 / 121 >

この作品をシェア

pagetop