恋の香り~ダブルクロス~
「お前、載ってんじゃん。どーゆーことだよ」
陽斗が口を挟む。
「……別に……頼まれたから……」
「誰に?」
「さぁ……声かけられたんだよ」
「これで?」
陽斗が優斗を上から下まで見る。
学校帰りだからだけどさ……。
寝癖のようなボサボサ頭に黒縁メガネ。きっちりネクタイをしめて、カバンも黒いシンプルな物。
どう見てもクソ真面目な学生にしか見えない。
これでファッション雑誌の人に声かけられるなんて……間違ってもない。
「お前はアホか。こんな格好で声、かけられるわけねーだろ。
休みの日に決まってんだろーが!普通に考えれば分かる」
バカにしたような目で陽斗を見る。