恋の香り~ダブルクロス~


この優斗の顔は明らかに困ってるよなぁ……。


迷惑そうなどうしていいか分からない顔。


これでは……失恋決定だ。


決定だけど、優斗の言葉は聞きたくない。


聞いてしまって、本当に失恋してしまいたくない。


だって、せっかくこうやってまた、話ができたんだもん。


もう少し……片思いさせて?


だから……。


「……ごめっ……帰る……」


「おいっ……」


わたしは優斗の前から逃げるように走り去った。





< 59 / 121 >

この作品をシェア

pagetop