恋の香り~ダブルクロス~
この優斗の顔は明らかに困ってるよなぁ……。
迷惑そうなどうしていいか分からない顔。
これでは……失恋決定だ。
決定だけど、優斗の言葉は聞きたくない。
聞いてしまって、本当に失恋してしまいたくない。
だって、せっかくこうやってまた、話ができたんだもん。
もう少し……片思いさせて?
だから……。
「……ごめっ……帰る……」
「おいっ……」
わたしは優斗の前から逃げるように走り去った。