恋の香り~ダブルクロス~
陽斗こそ、変わらないじゃん。
わたしと優斗はイルカを食い入るように見てて、陽斗は淡水魚とか珍しい魚とか、
たくさんの魚が泳いでるのを楽しそうに見てたのは覚えてる。
その点、わたしはお母さんに連れられるまま、見てた気がする。
イルカのことしか頭にないから、他のことなんて覚えてないんだよね、正直。
ただ、優斗と並んでイルカを見てた。
それがわたしの極上の幸せだったんだと思う。
あの頃は、まだ、優斗のこと、好きだなんて気づいてなかったけど、
優斗が笑うとわたしもうれしくて優斗を見てた気がする。
やっぱり、あの頃から好きだったのかな、わたし……。