恋の香り~ダブルクロス~
何でこんなところに優斗がいるの?
あのボサボサ頭でもなんでもなくて、雑誌に載ってたようにちゃんとしてる。
こうやって見ると、本当に二人は双子なんだな……って分かるくらい、同じような身なり。
でも、何で……。
わたしはここから逃げ出したくなるのも忘れて優斗を見ていた。
「若葉!」
ベンチの前で陽斗が叫んだ。
「オレ、帰るかんな!」
「え? ちょっ……」
わたしが止める間もなく陽斗は手を振って背中を向ける。