いちご塾
2月 第2週 「出逢い」
―2p
歌が聞こえた。
ゆったりと踊る様に広がっていく歌声。
辺りを見回しても、吐く息の白さも、見える景色も、いつもと変わらない。
雪に彩られた中、一定の間隔で円形に並ぶベンチ、その後ろには木々も立ち並んでいる。
その中央には周りのベンチとは向かい合わせに置いてあるベンチと、それらに守られている様に、まだ水の出ていない噴水が居座っている。
いつもと変わらない景色の中、いつもは聞こえない歌。
その歌声は、噴水をはさんで僕のいる反対側から流れてきていた。
目線の先にはひとりの少女。
僕よりは年下の様に見えるその少女は、僕に背中を向けて、空に届かせる様に歌っていた。
澄みきった空に澄みきった歌を…。
目を閉じるとこの歌声に包まれていく様に感じる。
記憶には無いのに、何処か懐かしいといった感覚。
ずっと、いつまでもこのままでいたいとすら思える。
この時間独特の寒さすら忘れて、ただ聴き入ってしまった…。
歌声が止まり目を開くと、ひとつ大きく伸びをしてる彼女。
肩には少しだけ届かない髪が、さらさらと風に揺れている。
伸びを終えると彼女は、不意に此方の方に向き直った。
目が…あった…。
歌が聞こえた。
ゆったりと踊る様に広がっていく歌声。
辺りを見回しても、吐く息の白さも、見える景色も、いつもと変わらない。
雪に彩られた中、一定の間隔で円形に並ぶベンチ、その後ろには木々も立ち並んでいる。
その中央には周りのベンチとは向かい合わせに置いてあるベンチと、それらに守られている様に、まだ水の出ていない噴水が居座っている。
いつもと変わらない景色の中、いつもは聞こえない歌。
その歌声は、噴水をはさんで僕のいる反対側から流れてきていた。
目線の先にはひとりの少女。
僕よりは年下の様に見えるその少女は、僕に背中を向けて、空に届かせる様に歌っていた。
澄みきった空に澄みきった歌を…。
目を閉じるとこの歌声に包まれていく様に感じる。
記憶には無いのに、何処か懐かしいといった感覚。
ずっと、いつまでもこのままでいたいとすら思える。
この時間独特の寒さすら忘れて、ただ聴き入ってしまった…。
歌声が止まり目を開くと、ひとつ大きく伸びをしてる彼女。
肩には少しだけ届かない髪が、さらさらと風に揺れている。
伸びを終えると彼女は、不意に此方の方に向き直った。
目が…あった…。