薄紅空

 

はっとして目覚める。



(また夢か・・・)



ゆっくりと起きあがり、寝汗を拭う。



「露・・・?またあの夢かい?」



隣で寝ている母を起こしてしまったようだ。



「大丈夫よ。ごめんなさい、起こしてしまって。」




露は答えて、ふたたび布団に潜り込む。



もう夜明けのころで、空はほんのり薄紅色に染まっていた。




「薄紅の空、か・・・。」



そっとつぶやき、露は深いまどろみの中へ落ちていった。




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