pretty☆ghost
学校
 いつものように、たむろをしていたわけだが。
 飯川 菜穂は、ピアノの音に気が付いた。
「・・・なんか聞こえる」
 そう呟いたのに、親友、紀伊が気づく。
「どったん?」
「んっ?なんでもない。ちょっと私、トイレ」
 そう言って、群れの輪から離れ、音楽室へ向かう。
 窓からかすかにオレンジ色の光が指していた。
 しかし、校内は暗く、電気の明かりはわずか。
~~~♪♪♪~~~
 やはり、ピアノの音が聞こえる。
 そして、歌声も聞こえる。
―――カチャ。
 静かに入った。
 誰かがピアノを弾きながら、歌っていた。
 なぜ、なんのために、どうしてここで。
「あの~・・・」
 声をかけると、小さな方がわずかに震え・・・
「―――!!」
 ―――ガタガタガタッバサッ―――
「まっ・・・待って!!」
 とても細くて、小さい、可愛い女の子だった。
 同い年くらいだろう。
 慌てて、逃げようとした。
「ねえ、待って!!」
 腕を掴もうとした。
 ―――え・・・?
 菜穂の手は、するりとすり抜けた。
 女の子はバッと振り返る。
『あなた・・・見えるの?』
 最初は、その意味が分からなかった。
「何が?」
『わかったわ。・・・私が見えるのね?この声が聞こえるのね?』
「どういう事?」
『私はユラ。はっきり言って、幽霊』
 ・・・は?
「何言ってんの、あんた。冗談・・・」
『そう・・・信じろって言う方が無理な話よね』
 そう言った少女は、ふわりと浮き・・・
「!?」
 手を挙げた。
 ピアノが浮く。
「やっ・・・ちょっと!!」
『・・・』
 手をおろすと、ピアノが元の場所に戻る。
『どう?これでも信じれない?』
「わかったからっ・・・」
『そう。じゃあ、協力してほしいことがあるの』
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