天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
しゃがみ込んでバンバンと床を叩きつつ、虎次郎は悶絶する。

「お前もうちょっと希望を持たせるような言い方しろよ!」

「希望持たせてどうすんねん、望み薄、可能性限りなくゼロ、当たっても原子レベルまで砕けるやろな」

「何でだよ!中国人の祖母を持つ、フランス生まれのスペイン系日本人のこの俺が!」

「啓太がコテコテの日本人やのに、何でジロー先生だけそんなカッコええ血筋やねん」

「くっ…」

「0.5秒でバレる嘘つくな」

「で、でもでも!俺、射撃の天才で本業は暗殺業だぜ?かっけーと思わね?暗殺者。モテ要素抜群だと思わね?」

「何で本業暗殺者やのに得物水鉄砲しか持ってないねん」

「くっ…」

「0.1秒でバレる嘘つくな」

まるで虫でも見るような目付きで虎次郎を見る琉。

「しかも嘘のレベルも狙撃のレベルも白衣も全部元祖の皆さんに負けてるし。器用貧乏キャラ被りやね。そら龍娘先生もアウトオブ眼中やわ」

「もう少し労わった言い方しろよ、お前!」

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