天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
と。

「小夜を怖がらせるんじゃない、しまじろう」

聞き覚えのある声に、虎次郎は顔を上げる。

「チャイナビューティーがどうしたと?お前また私の悪口を言っていたな?」

そこには龍娘と翡翠が立っていた。

例の事件の調査の真っ最中だ。

「お前はいいな、しまじろう。呑気に油を売っていればいいのだから。私も生徒指導ではなく、世界史教師になればよかったよ」

ほぅっ、と溜息をつく龍娘。

切れ長の瞳を閉じて溜息をつく姿はセクシーで、虎次郎ますます惚れ直しちゃう。

「てか、しまじろうとか言うな!翡翠、お前のせいだぞ、こんな変な渾名が広まったのは!」

怒鳴る虎次郎の鼻先に。

「おわっ!」

川蝉の切っ先が振り下ろされる。

「俺を気安く呼び捨てにするな、しまじろう」

「はい…すみません翡翠さん…」

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