天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
戦闘には非凡な才能を発揮するものの、推理となると殆どからっきし。

この教師陣では、事件の犯人探しは難しそうだ。

唯一頭脳明晰な毒舌教師も、今回の事件解決に絡むほど暇ではないし…。

「ならば一人良い生徒を紹介しましょう」

毒舌教師が言う。

「1年の春夏秋冬 渉(ひととせ わたる)、彼なんて今回の事件解決にはうってつけかもしれません」

「ああ、あの金色夜叉の貫一のような格好した奴か」

翡翠が言うが、最近の若い世代には分かりにくい例えかも。

「噂話や都市伝説には精通していると聞いたが、こんな事件解決に役に立つのか?」

「噂話や都市伝説に精通しているだけに『ネットを媒体とすれば、話はよく広がりますから』とネットも網羅しているんです。情報通だから、きっとオツムの出来の悪い貴方達の助けになりますよ?」

「成程!」

毒舌教師の言葉に感心する龍娘。

「いや、馬鹿にされてるぞ龍娘先生」

虎次郎がツッコむ。

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