天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
「っ…!」

常に冷静な生徒会長の表情が強張る。

「貴方達…遥さんに何を…?」

「ひょおぉ、遥さんだってよぉ」

下卑た笑い声を上げる男子生徒達。

「まぁ、下手に抵抗すると、その遥さんがどうなっちゃうか…わかりますよねぇ?」

ジリジリと包囲を狭めていく男子生徒達。

「………!」

さしもの月も、これではジェノサイドに踏み切る事が出来ない。

悔しげに歯噛みする…。

その時!

「月っっっっ!」

突然の声と共に、端正な顔を青痣と血で汚して、皇帝こと水無瀬 遥が生徒会室に駆け込んでくる!

「遥さんっ?」

盲目の月にも、遥から漂う血の匂いは伝わってくる。

「遥さん怪我を…っ?」

月が犯人グループに囲まれていると知り、同じように囲まれていた遥も強引に包囲を突っ切り、生徒会室に強行突入してきたのだ。

あの臆病でヘタレな遥が、月の為に。

< 135 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop