天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
月の傍らに立つ遥。

そんな彼から。

(超こぇえぇぇえぇっ!怖いけど…月は…月は彼氏の俺が守らなくちゃっ!)

遥の本心の声が、月の心に伝わってくる。

(遥さん…)

盲目の灰色の瞳が、僅かに潤む。

しかしそんな二人に安堵はさせない。

「まぁいいや…じゃあ二人まとめて痛めつけちゃう?」

凶器を手にした男子生徒達が、徐々に距離を詰めてくる。

遥と月、絶体絶命のピンチ!

だが。

「うおあっち!」

突然首筋に命中した水鉄砲の射撃によって、男子生徒の一人が声を上げた。

振り向くと。

「てめぇら何やってんだ、この野郎…」

拳銃『マテバ6ウニカ』(にしか見えないオモチャの水鉄砲)を手にした虎次郎が立っていた。

< 136 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop