天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
「ジロー先生」

男子生徒達を全て片付け、白衣に水鉄砲をしまう虎次郎の背中に、月が声をかける。

「有り難うございました…お陰で私も遥さんも助かりました…どうしてここが?」

「…廊下をトボトボ歩いてたら…騒ぐ声が聞こえたんでな…」

元気のない声で言う虎次郎。

「トボトボ?」

彼の発言が気になり、密かに『読んだ』月は。

「あらあら、まぁまぁ…」

思わずコロコロと笑う。

例の魅力的な笑顔で。

「ジロー先生、子供じゃないんですから…女性を誘うのにお菓子はないと思いますよ…?」

(助けてくれた恩人にそんな事言っちゃらめぇえぇぇえぇえぇぇっ!)

皇帝思わず内面ツッコミ。

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