天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ

グダグダでも彼らなりに学園の事件解決に頭を捻っているうちに、夜も更けてきた。

「さぁそろそろ帰れ。俺は弟子の修行も見てやらんといかんのだ」

邪魔臭そうに翡翠が龍娘達を追い払う。

「よくお前のような男が弟子を取ったな。方向音痴の弟の方らしいではないか」

龍娘が、少し見直したように笑う。

「で、どうなのだ、修行の塩梅は？」

「番外編を読め」

切り捨てる翡翠。

さりげなく宣伝する親孝行侍。

「とにかく何かにかこつけて、我が家の敷居を跨ぐな。ここは貴様らの溜まり場ではない」

「いいんだよ、また皆で遊びに来てくださいな。大勢で食べた方が晩御飯も美味しいし」

憮然とした家主と、穏やかに微笑む妻に見送られ、龍娘達は夕城邸を後にした。