天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
途端に暗転する周囲の景色。
夕暮れだった筈の空は動脈から迸り出たどす黒い血の色に染まり、地面は内出血の如き不気味な紫に変わる。
そんな中を。
「ひっ!」
黒一色の瞳のアモルが歩み寄ってくる。
「くっ、来るなっ!化け物!」
それは得体の知れぬものに対する未知への恐怖からか。
男子生徒の一人が咄嗟にナイフを懐から出し、投げつける!
投擲されたナイフは、アモルの抱くエリザベスの胴体に。
「おいおい、痛ぇじゃねぇか…」
ケケケケ、と笑うエリザベス。
綿しか詰まっていない、そのぬいぐるみの傷口から。
「!!!!!!」
這い出てくる。
蟲が。
嫌悪感を否応なしに煽り立てる、おぞましくも汚らわしい毒蟲が。
無数に、夥しく。
どうやってこのような数を、その愛らしい内腑に収めていたのかと思うほどの数。
それらはエリザベスの腹の中から湧き出し、地面を這いずり、男子生徒達の足元から這い登ってくる。
服の中に、顔に、口の中に、耳の穴に、鼻の穴に。
鼓膜近くまで侵入され、ウゾウゾと蠢く音が大音量で男子生徒達を苛む。
「いぎっ、ぎゃっ、ぎゃあぁぁアァァアァァァあああああぁぁあぁァぁアア!」
夕暮れだった筈の空は動脈から迸り出たどす黒い血の色に染まり、地面は内出血の如き不気味な紫に変わる。
そんな中を。
「ひっ!」
黒一色の瞳のアモルが歩み寄ってくる。
「くっ、来るなっ!化け物!」
それは得体の知れぬものに対する未知への恐怖からか。
男子生徒の一人が咄嗟にナイフを懐から出し、投げつける!
投擲されたナイフは、アモルの抱くエリザベスの胴体に。
「おいおい、痛ぇじゃねぇか…」
ケケケケ、と笑うエリザベス。
綿しか詰まっていない、そのぬいぐるみの傷口から。
「!!!!!!」
這い出てくる。
蟲が。
嫌悪感を否応なしに煽り立てる、おぞましくも汚らわしい毒蟲が。
無数に、夥しく。
どうやってこのような数を、その愛らしい内腑に収めていたのかと思うほどの数。
それらはエリザベスの腹の中から湧き出し、地面を這いずり、男子生徒達の足元から這い登ってくる。
服の中に、顔に、口の中に、耳の穴に、鼻の穴に。
鼓膜近くまで侵入され、ウゾウゾと蠢く音が大音量で男子生徒達を苛む。
「いぎっ、ぎゃっ、ぎゃあぁぁアァァアァァァあああああぁぁあぁァぁアア!」