天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
夕城邸。

「あ、龍娘先生いらっしゃい。『ベストカップル賞』優勝おめでとう」

翡翠の出来た女房、こはくが満面の笑みで出迎える。

「ここここここ、こはく、それを言うな!」

チャイナドレスと互角の赤面を見せる龍娘。

「遅かったね」

「ああ、お前の亭主が中華だと早々に言わなかったせいだ。知っていればこんな遅刻などしなかったものを」

「どこまでも口が悪いな龍娘。貴様に食わせる麻婆豆腐はない」

川蝉を一寸抜きかける翡翠に。

「まぁまぁ、小さい事を言っていると武士としての度量が知れますよ?」

「そうスよ…まぁ表で喧嘩しててもいいスよ?…俺らで料理は平らげますから」

毒舌教師と保険医が口々に言う。

既に並べられた中華の三分の一は片付けてしまっている。

彼ら二人と。

「何だ来たのか龍娘先生、別に来なくても良かったのに…某幽霊とイチャついてりゃよかったじゃねぇか」

天神学園社会科教師世界史担当の、早川 虎次郎(はやかわ こじろう)によって。

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