天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
シュアは溜息をつく。

「しょうがないな、レーヴは」

スタスタと教室に入るシュア。

普通の生徒ならば、この僅かな足音程度で、レーヴに対する安眠妨害罪で暴行を加えられる事もある。

距離をとって、神妙な面持ちで見ている方向音痴姉以下クラスメイト達。

そんな彼らの心配など知る由もなく。

「レーヴ、レーヴ」

シュアは顔を伏せて眠っているレーヴの背中に手を置いて揺さぶる。

「ほら、起きなよレーヴ。ここは丹下君の席だよ」

ああっ、あんな事したらレーヴの鉄拳が!

大惨事を恐れて目を覆う方向音痴姉。

しかし予測された鉄拳は飛んで来る事なく。

「んぅ…?」

レーヴは、その青空色のタレ目をパチクリとさせた。

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