天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
「こんだけ便利な能力持ってりゃ、どんな大怪我しても安心だな。レーヴも気兼ねなくお転婆できるってもんだ」

龍太郎の言葉に。

「馬鹿言っちゃいけないよ」

シュアは僅かに眉を顰めた。

「どんなに怪我が治癒できるといっても、僕の能力で癒せるのは肉体の損傷だけだ。怪我した時の痛みは伴うし、治癒した後でも怪我した時の『恐怖』や『不安』は残るんだ」

俯き加減になるシュア。

「もしレーヴが例の事件の犯人に怪我でもさせられたら…彼女の心に一生消えない傷が残ったりしたら…その傷は、僕でも癒す事は出来ないんだよ…」

そんなシュアの心配を知ってか知らずか。

ちょっと目を離した隙に、レーヴは自分の席で眠りこけていた。

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