天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
そんな中、事件は起きる。

「遅くなっちゃったねぇ、柿ピー…」

そんな事を言いながら放課後の校舎を歩くのは、1年の遡雫(かんな)。

購買や学食の冬季新メニューを食べ歩いているうちに、こんな時間になってしまったらしい。

早足で廊下を歩く小さな影。

その影を付け狙うように。

「!」

パシャッ、と。

乾いた音が響いた。

「?…なになに…?」

不安そうに振り向く遡雫。

パシャッ、パシャッ。

同じ音は二度三度と続く。

遡雫にも聞き覚えのある音。

シャッターを切る音だった。

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