天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
一箇所からだけではない。

そこかしこから、シャッターを切る音は聞こえる。

なのに、カメラを携える人間の姿はどこにも見当たらない。

即ち、隠れてどこかから遡雫を付け狙いながら撮影しているという事。

遡雫一人を、複数の人間が…。

(盗撮…?)

怯えたように、柿ピーにすがりつく遡雫。

「怖いねぇ…柿ピー、怖いねぇ…怖いねぇ…」

今にも泣きそうな表情で呟く遡雫を守るように、柿ピーが唸り声を上げる。

そんな遡雫達を嘲笑うように、尚も聞こえてくるシャッター音。

その時だった。

「君達、何をやっているんだ!」

物陰に隠れていた犯人一味の男子生徒達に、シュアとレーヴが声をかけた。

保健委員の仕事を終え、教室で眠ったままだったレーヴを起こし、ようやくシュアは下校する途中でこの現場に出くわしたのだ。

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