天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
喧嘩は呆気なく終幕し、教師五人と良妻が料理を囲んで舌鼓を打つ。

「しかし何ですね…『美少女二十選』以降物騒な事件が続きますね」

チンジャオロースを口に運びながら言う毒舌教師。

「そうスね…保健委員長のシュア・ベネルースが嘆いてましたよ。幼馴染みも狙われるんじゃないかって」

保険医も老酒片手に呟く。

「シュアと言えば、あの『起こしてはならない眠り姫』の世話役か。アイツはなかなか几帳面で真面目で好感が持てるな。私は嫌いではない」

龍娘の言葉に。

「っっ!」

必要以上に虎次郎が反応する。

(はいはい、その『好感』じゃないですよ)

毒舌教師がポンポンと虎次郎の肩を叩いた。

「でも心配だねぇ、女子生徒さんばかり狙われるなんて…誰の仕業だい?」

エビチリを食卓に並べながら、こはくが言う。

「犯人たる男子生徒は全て捕縛したのだがな」

モシャモシャと八宝菜を咀嚼しながら。

「全員、頼まれてやったとしか白状しないのだ。その依頼した相手というのも、また更に別の人間から依頼を頼まれたとしか言わない…奴らは言うなれば『組織の末端』でしかないのだ」

龍娘は気に入らない様子で言った。

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