天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
それでもまだよかった。

犬にはじゃれ付かれただけ。

女子に蹂躙されるのも、まだそんなに悪い気はしない。

だが中学に進学した頃。

シーザは遂に同性に襲われる。

学年でも有名だった、軟弱そうなナヨナヨした青白い顔の同級生。

シーザは彼にいきなり押し倒され、危うくアレな目に遭わされる所だった。

幼稚園年長さんから幾許か成長し、シーザにもこの頃には『それなりの』知識が備わっている。

明確に『身の危険』というものが感じられた。

『やらせはせん、やらせはせんぞ!』と必死の抵抗で暴れた挙句、何とか自力で危機を脱したものの、イッた目で追いかけてくる同級生の顔は、今でもシーザを悪夢で悩ませる。

シーザはその日、自宅で辞書を開き、『男色』という言葉の意味を覚える事になる。

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