天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
嗚呼、何というセイシュン。

シーザの過去の思い出は、楽しい学園生活2割、襲われた記憶8割。

常に貞操の危機を感じる生活である。

何でこんなに襲われるのか。

父さんにだってぶたれた事ないのに!

心の中で繰り返してみるものの、当然自分では理由など分かる筈もない。

そんな事を繰り返しながら、入学した天神学園高等部。

1年の春、健康診断の時に、シーザは保険医に呼び止められる。

「ちょっと待て…お前…少し詳しく検査したい…」

怪しげな白衣の保険医に呼び止められ、お医者さんごっこでもされるのかと身の毛もよだったシーザだったが、この保険医には狐の霊がとり憑いているらしく(それはそれで怖いが)、その狐の力で過去の者達のように我を忘れてシーザを襲う事はなかった。

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