天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
「璃宮 シーザ(りきゅう しーざ)辺りも被害に遭ったらしいぞ」

酒は日本酒派なのか。

猪口をグイと呷りながら言ったのは翡翠。

「アイツは男だろう?被害に遭うのは女子生徒じゃないのか?」

虎次郎の言葉に。

「奴は不必要にホルモンを撒き散らしすぎなのだ」

龍娘が言い。

「フェロモンですよ」

毒舌教師がツッコむ。

ええいっ、うるさい、と八つ当たりする龍娘。

「何でも、風紀委員長に抱きつかれて、むしゃぶりつかれたそうだ」

淡々と語る翡翠。

それはシーザ気の毒に…。

「じゃあ犯人は風紀委員長スか?…アイツならこの手のエロス得意そうだし…」

担々麺をズゾゾゾ、と啜る保険医。

「いや、違うな」

翡翠が猪口を置いた。

「あの風紀委員長は、盗撮だ個人情報流出だと回りくどい真似はせん。もっと直球勝負だ」

「すーと同じだねぇ」

クスクス笑うこはくに。

「む」

翡翠照れ気味。

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