STRONG WIND~青い風~
race of the death
雨の降る日は決まってあの日のことを思い出す―…
雷神とのレースの日、あたしたちは走る前に必ずレースコースを下見する…。
それは安全確認としても、相手の不正は無いかどうかも
何か走りをする上でのルールだった。
勿論お互いに対裂しあっているチームだが
神聖なレースを汚すような真似はしない連中であると知っている。
走りが好きな連中ならなおのことタブーだ。
その日は下見をしても何もなく
次の日のために早く切り上げ、仲間達と共に飲みにいった…。
そして翌日の午前0時…
レースが始まった。
雨で路面が滑り易くはなっていたが
興奮仕切っているあたしたちにはそんなことは支障ではなかった…。
そして互いに熱くなると車体をぶつけ始める雷神のレーサー…
誠もそれに答え無駄な技をいれ相手を茶化していた…
そして最終コースの急カーブ…
そこに写る筈のない光がカーブミラーに映し出され…
焦った誠はハンドルを左にきり崖下へ落下した。
即死だった。
翌日現場検証に向かった警察の話によると
道路整備でミラーの角度を変えていたのが事故の原因のようだった。
地元の人の指示でカーブミラーの角度を変えたことによって
写る筈のないライトがミラーに映り
自分の車のライトを対向車と見間違えたんだ…。
全くバカな話だ…。