STRONG WIND~青い風~




地元の小さな走り屋だった朋頼たちを

親父は直ぐに車庫下に潜って

タダで整備しては手入れの仕方まで教えていた。

そんな生活が当たり前だったから、あたしがメカニックの仕事を継ぐのに

何の違和感もなかったのかもしれない。




『メカニックはレーサーの"夢"と"命"を預かる仕事だ。

レーサーと"信頼関係"がなけりゃそれは"ただの"整備士。

だが、お互いに信頼関係が成り立てば

それはただの整備士じゃなく"相棒"になる』




耳にタコが出来そうなぐらいに毎日言い聞かされた親父の口癖。

そして、13歳の時にメカニックのすべてを親父に叩き込まれ

今では一端の整備士として風神に在籍している。

まぁ、今でも現役でレースのメカニックをして

世界に通用する親父に比べたらまだまだ青臭いだろうけど…。

でもそのうち追い越す。

このチームの相棒として、親父のチームと戦ってみたい。

それが、あたしの"夢"で"野望"でもある

まぁ、野望なんて言葉で

終わらせるつもりもないけど








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