STRONG WIND~青い風~
「あぁ、そういえば明後日のレース、トップは誰にするの?」
「まぁ、今度の雷神とのレースは
新米どもに花を持たしてやろうかと思ってんだ。」
ビールを口につけながらいい放つあたしに朋頼が踵を返す。
そんな朋頼の言葉が気に入らなかったのか
誠がハイボール片手に愚痴をこぼした。
「何でスかぁ!朋頼さんこないだ俺に
花持ちさせてやるって行ってたじゃないスか!!」
「お前はトリだ。ケツ持ちさせやる」
「悠哉、まだ誠には無理だって…コイツ直ぐにタイヤ減らすし
カッコつけてエンジン無駄にフカすし…めんどいんだよ?」
タバコをフカしながら吐き捨てる悠哉に
あたしは誠への愚痴を溢す。
勿論、それを聞いた誠が
「ざけんな!あれしねぇとスイッチ入らねぇんだよ!!」
何て意味のわからないことを
人の耳の横で話すからとりあえず張り倒した。
「まあ、誠が言いたいことも解らなくはねぇけどな…。」
「だろう?!さすが俺の弟だぜ!」
「流に寄るな、バカが移る」
「移らねぇよ!人をバイ菌みたいに呼ぶな!」