STRONG WIND~青い風~
「お前ッ!マヂかよ?!」
「朋さんの親父さんってことは…」
「あの大手車メーカーの"MINAMOTOモータース"だな」
そう、朋頼の家は日本でもトップクラスの大手車メーカー。
今は朋頼の親父さんの智鷹さんが社長をしている。
何でも、前に一度朋頼の整備を見た智鷹さんが
私の腕に惚れ込んだらしく
"是非我が社の専属整備士として働いてくれ"
と頼まれた。
勿論断った。風神以外のメカニックをする気はないし
何よりまだ私の腕じゃ智鷹さんに迷惑をかけるから。
はっきり断ったつもりだったんだけど…。
「お前何で断ったんだよ!勿体ねぇ…」
「確かに、友のメカニックとしての才能は天才だ。」
「そうッスよね!?こんなとこで燻っていいようなタマじゃ…」
「だったら、誠が早くプロになんな。」
「!!」
「こんなとこで燻らせてんのは誰よ」
あたしだってどうせやるなら
親父を超えるようなメカニックに成りたい。
だったら相棒のアンタが早くプロに乗し上がれば良いじゃない。
あたしは誠にそう言うと
「当たりめぇよ、すぐ追い越してやるから期待して待ってろ」
なんて宣戦布告された。