STRONG WIND~青い風~
「んじゃ、明後日に向けて酔いが覚め次第走りいくぞ」
やっと話のネタが尽きて
チンタラ腰を上げて会計を終えた。
朋頼の言葉に、誠が「うっス~!」と
フラフラになりながら店を出た。
朝っぱらから飲んでいたのに
今じゃすっかり夜も更けていた。
「ちょっ…と…待たんかい!!」
右肩にだらしなくぶら下がる誠を引き摺りながら
平然と前をあるく男三人を呼び止める。
あり得ない…なんだコイツらは。
女に男担がせといて無視はないでしょーよ。
「なに怒こってんだよ、友」
「…何って何、"コレ"を何であたしが持ってるわけ…?」
誠の耳を引き千切らんばかりに引っ張り
あたしは朋頼に呼び掛ける。
あたしは間違ったことをいっていないのに
バカ三人はさも当たり前かの様な顔して
言い捨てる。
「…友世は"ソレ"の相棒だろ?」
「誠を家まで届けてやって」
「ハァ?!」
「頑張っ」とか言ってバカトリオは消えた。
取り残されたあたしと誠は
小さな一つだけの外灯が照された道路に
茫然と立ち尽くした。