あなたしかいらない。
キャバと運送事務所の往復の毎日で、唯一の癒しは愛那との日曜デート。
「面白い映画だったね!愛那、真侑お姉ちゃんと2人でいるのが一番幸せ。
最近は日曜しか会えなくて寂しいけど、お仕事忙しいんだもんね・・・」
幸い、愛那は病気の進行も影響もなく、普通に毎日を暮らしていた。
それでも、いつ悪化するか分からない怖さを打ち消すことができない。
早く手術をしなければ、と気持ばかりが焦っていた。

愛那と会った次の日は、仕事をするのがとても辛く感じる。
しかも、翌日に更新されたベストオール表で最下位(32位)だった私は、店長に呼び出された。
「指名0本で大目に見ていられるのは入店1か月までです。今の状態が続けば、時給を下げるだけじゃなく、ペナルティを課さなくてはなりません。言わなくても分かっているとは思いますが・・・」
全然営業できず、客も掴めない。当然の結果とは言え、私は危機感を覚えた。
まだ30万も貯まっていないのに、このままじゃ手術代が・・・。
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