Black Peace
木下の説明を聞きながら、俺はさっきの赤髪女の顔を思い返した。
大野飛鳥…か。
いろんな意味で普通じゃねぇなとは思った。
ていうか、俺の頭部をダンボールでぶん殴るような奴なんで初めてみた。
その上あの説教だ。
どう考えても普通じゃねぇよな。
「で、これからどうすんの?」
「あ?」
木下の意味不の問いに、眉をしかめる
「だから、大野のことだよ。まだ何も解決してないだろ?ケリつけに行くとかしねーの?」
「お前にゃ関係ないだろ。」
そうくだらなそうに答えてやった。それに、正直のところまだ何も考えちゃいなかった。
すると木下はひとりだけハイテンションの笑顔で、
「いーじゃん!俺ら親友だろ!?」
「お前みたいな小魚なんて知らん。」
「小魚って…」
実際こいつとは友達でも何でもないからな。ここまで馴れ馴れしい奴は初めてだ。
いや、逆に言えばここまで俺に他愛もなく話しかけてくる奴なんて、そうそういない…
「でもまぁ確かに、このままじゃすませねぇな。」
仕方なく木下の問いに、時間差はあるが答えてやる。