Black Peace
第三章

第二章


それから三日後


昨日から通常授業が始まった。中学のときと比べて教科が一気に増えたが、内容は全部簡単なものばかりだ。

木下は『全くわからねぇ!リヒト、勉強教えてくれぇぇ!』とか言ってきたけど、全く相手にしてやんなかった。

てか、いつの間にか俺のこと名前で呼んできてるし、どんだけ馴れ馴れしいんじゃあいつ。


「ふぁ〜……」


ちなみに俺は今、みんなが楽しそうに弁当をつっついているであろう昼休み、この屋上で横たわり、青空を眺めながらあくびをこいている。


もちろんあの木下は『リヒト!一緒に飯食おうぜ!』とか言ってきたが、俺は『トイレに行ってくる』と言い残してここにやってきた。


木下は今頃トイレに行ってる設定の俺を待ち続けてるだろう。
俺は目をつぶり、右腕を枕にしながら右に寝返った。


高校ってのは、中学と違ってあまりにも授業をバックレる(※サボるとこ)と、単位が足らなくなり、簡単に留年してしまうらしい。

だからこっちも授業をサボりまくるわけにもいかないんだよな。

だからこんな眠いんだよ。


俺は屋上の冷たいタイルの上で、横向きに横たわりながらまどろみの中に落ちようとすると…



「柴田君?」


後方から俺を呼ぶ声が聞こえてきた。
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