Black Peace


「それじゃ、今からテストを返すぞ」


数日後、いつも通りの帰りのHRで、でかい紙束を抱えて教室に入ってきた教師が教壇に立って行った。

その言葉にクラスメイトたちが「えー」だの「マジかよぉ」とかブーイングを飛ばす中、
俺はいつも通り机に頬杖をつき、空を眺めていた。


今から返されるのは、恐らく入学してすぐにやったテストだろうな。

どうせ成績には一切関係ないだろうに、いちいち騒ぐ必要もないだろ。


それにしても眠い。春眠暁を覚えずっていうんだろうな。毎日が睡魔との死闘で体も限界だ。



木下と夜佐神は「早く寝ればよくね?」と言ってたけど、どれだけ早く寝ても眠気が覚めないから俺の体は不思議だ。

目覚まし時計がなかったら夏まで眠り続けちまうかも…
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