Black Peace
「リヒト〜!」
テスト返しが終わって残り時間が自習になったとたん、木下がウキウキしながらこっちに寄ってきた。
俺はそんな木下をしかめっ面で見返してやるが、木下はまったくかまいもしない様子で
「テスト何点だったんだよ。」
なにがそんなに楽しいのか、笑顔を浮かべて尋ねてきた。
「別に何点でもいいだろーが。」
つまらなそうに吐き捨てててやったのだが、そこにもう一人がこっちにやってきた。
「私も柴田君の点数気になるなー」
「っ………」
思わず顔をひきつらせる。
やって来たのは夜佐神だった。その上機嫌さから見ると、よほど点数がよかったらしい。
「ちなみに夜佐神は何点だった?」
木下が夜佐神に尋ねる。
すると夜佐神は、点数を聞かれるのを待ってましたといわんばかりに、そのテスト用紙をこれ見よがしに見せびらかしてきた。
そこに書かれていた点数に、木下が明らかに驚愕する。