Black Peace


「…き……96点…!?」

木下の言葉に、夜佐神はへへんと鼻で笑う。

確かに夜佐神のテスト用紙には、赤いペンで96点と書かれている。


今回のテストは、一枚のテスト用紙に三教科分の問題、
つまり国語、数学、英語の三種類の問題が詰め込まれている。

すなわち、このテストで高得点をとるには、この三教科すべての問題を理解していないといけない。

だから夜佐神がここまで自慢げなのも無理はないかもしれない。



「マジかよ……こんな超難問をよく解けたな…。
クラスで一位なんじゃね?おれなんかこれだぜ?」


こんどは木下が自分のテスト用紙をひらく。

そこにはお粗末にも25点と書かれていた。


「……木下君、30点以下は赤点で、今日の放課後補習だよ…?」

「はんが…………」


木下は鼻の詰まったような声を出し、そのまま凍りついた。
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