Black Peace
「うそ…………」
夜佐神も、まるで幽霊でも見たような顔で小さく呟く。
二人が見ている俺のテスト用紙に、一つもペケなどついていない。
俺にとっては見慣れてしまった、完璧の百点満点。
それが俺の点数だった
「え……ちょ……柴田君、なんでこんな点数……」
まだ頭が混乱しているのか、夜佐神が震えた声で尋ねてくる。
どうやらそんぐらい衝撃的だったらしい。
「柴田君……本当は頭、よかったの……?」
「?頭の良さに本当も嘘もあんのか?」
夜佐神は目をまん丸くしながら俺とテストを交互に見てくる。
だからやだったんだよ。
無駄に頭のいいこの脳みそのせいで、大勢の人間から妬まれたんだ。
こいつらだって同じだ。どうせなんの努力もせずに高得点がとれちまう俺の頭をねた−−−
「すっごいじゃん!!」
「……は?」