Black Peace
「ニヤニヤ」
「な、何よそのニヤニヤは!ていうか、ぜーったい沙織のほうが可愛いし!ねぇ柴田君?」
「綾乃のほうが可愛いしわよね?」
二人して、急にこちらに問いかけてきた。
夜佐神のほうは顔を赤らめながら、香川は当然のような表情でこちらをみてくる。
そんな二人に対し、俺は、ウトウトしていた目を開き、素で答えた。
「…………………は?」
『興味がまるで無いっ!!』
奇跡的に、夜佐神と香川の声がピッタリ重なり合った。
「そういえば柴田君には時雨さんがいるんだったわ。」
なぜか香川が呆れるように口にした。
「なんだか焦ってた自分が恥ずかしいよ。こうなったのもすべて柴田君のせいよ……」
「は?俺?」
隣にいる夜佐神も、香川と同じテンションでグチグチぼやいている。
二人の言葉の真意が全くつかめない。