Black Peace
正確に数えたわけじゃないが、ざっと見て20~30人はいるとみて間違いない。
そのうち凶器を手にしてる奴がほとんど。
「おいおいおい。これまた珍しい客がいらっしゃったものだなぁ。」
途端、倉庫の奥の方から楽しそうな声が響いてきた。
その声が轟くと、倉庫の中心で固まっていた連中たちが端に寄り、道をあけた。
その奥にいたのは、粗大ゴミに捨てられていそうな、ボロついた黒いソファに腰を沈めた一人の男だった。
男は足を組み直すと、なにが楽しいのかにやりと笑い、言った
「お前、マジヤンの柴田だろ。いつかは会ってみたいと思っていたが、まさか、わざわざそちらから来てもらえるなんてな。何か用が会ってきたのか?」
「……」
まさか相手に自分の名前が知られているとは思わなかったが、俺は表情を全く崩さずに、
「俺の身内があんたらに世話になったっぽいんだけどよ、銀髪のショートカットの女子高生に見に覚えがねぇか?」
俺が答えると、男はクスりと笑い、
「知らねぇなぁ」
あっさりと、あざ笑うように答えた。
倉庫の端に目をやると、そこにはビンケースガいくつも置いてあり、中には日本酒やらビールやらの酒の瓶が大量に入れられてあった。
「そうか……なら仕方ねぇな。」
俺は一つ嘆息つくと、ワイシャツを雑に脱ぎ捨てて、言った。
「てめぇら全員つぶす。」