Black Peace


このまま話しててもラチが明かないとふんだらしい香川さんが提案した。

「とりあえず、行くだけ行ってみましょ。もし危なくなったら、すぐに逃げて警察に行きましょ。」


「そうだね。絶対に無理しないでよ?大野さん。」


神坂さんが顔をズイッと近づけて問われた私は、思わず


「わ…分かった……」


神坂さんの迫力(威圧?)に耐えきれず、コクリと頷いてしまう。

まあでも確かに、私が無理に突っ込んで他のみんなを危険な目に遭わせるわけには行かない。

いざとなったら木下を盾にして私達だけでも逃げ出そう。


そうこう話しているうちに、だんだんと日が傾いてきた。

さすがにまだ春じゃ、日がおちるのが早い。

今日学校が昼過ぎに終わったといえど、夜佐神さんの病院に駆け込んだり、事情聴取しているうちに、すでに時刻は五時をさしている。


「じゃあ日が暮れる前に、行きましょ!」


香川さんの声に、私たち三人は揃って深く頷いた。





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