Black Peace

「別に…ガフ!…夜佐神のために……ゴフ!…やっ…グフッ!ゴホッ!やったわけじゃなグハ!ゴホッガハッウゲッオゴォォォッ!」

「あ、ごめん、無理して話さなくていいから…」

俺の様態がよほど悪いことを察してくれたのか、大野が珍しく俺を気にかけてくれたので、仕方なく口を閉じた。


どうしたらいいのか分からないらしい香川が、オロオロしながらもポケットから携帯をとりだし、

「と、とりあえず救急車呼ぶわね!」と電話をかけた。

「リヒト…何でこんな無茶したの…!」


横たわる俺を抱えて涙ぐんでいる千秋の、涙が、ポタポタと俺の頬に垂れ落ちる。

俺は体中の苦痛に耐えながらも、なれない笑みを作って泣き顔の千秋に言った。


「俺…不器用だからよ……、お前等を巻き込まずにカタをつけようと思ったら、こんなやり方しか思いつかなかったんだわ……わりぃな、千秋……」


千秋は泣きじゃくりながら俺の体を強く抱きしめた。

友達の為にとか、そう言うのはあまり慣れてない俺には、この方法しか思いつかなかった。

でも、そのせいで涙を流す千秋の顔を見ていると、なんだかものすごく心が痛む。


やっぱ俺には仲間とか、友達とか、そういうもんは似合わねぇのかな…






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