シオン
「花音さん
今度家族と来てください」



何を必死そうに・・・

そんなに何か悪いの?




「家族なんていません」

家族
そう呼べる人なんて
誰もいない



「そうか
花音さんはちょっと重い病気です
詳しいことはちょっと・・・」




「言ってください」




「癌です
それだけ言っておきます」



癌---



「余命は最低で1年」


突然言われた私の命の最後
こんなに軽く言うものなのか





「そんなに危険なんですか?」



「1番短く見積もってね
治療すればどんどん伸びるし
生きれる」




生きる?

そんなのどうでもいい




生きなくていい

そう思っていた高校1年




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