シオン
「わー」


やっぱり
今でも輝いてる



ッザザザザザ__

音を立てて私の方に近づいては遠くへ行く





『海行こう!』

「優くんってば強引だったな・・・」

でも
強引じゃなければ
ここへ来ることはできなかった



ここで優くんは応援してくれたよね

『頑張ってね』
『たまには抜け出してここに来ちゃえば?』


「優くん・・・」
私はこれから手術を頑張るよ

でも
抜け出したりはしないけどね




車輪を思いっきり回す
砂のせいで
全く前に進まない


車輪がただそこで空回りしてるだけ__


ガガッガガッ


優くん
優くん
優くん


やっぱり
忘れられないよ



いくら回しても
海へは届かない



車輪のように空回りしてるのは私で
海は優くんで



その間の微妙な距離が
私たちの距離を表してるような気がして・・・
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