シオン
「俺だって
花音ちゃんと出会えて変わったんだ

きっと一目ぼれしたんだよな

告白してくれてうれしかったのに
会えなくなっちゃうし・・・


でも
生きてくれてありがとう

俺を信じてくれてありがとう


俺は花音ちゃんの事が好き



花音ちゃんがいてくれれば幸せだよ」








うん

う・・・ん



涙があふれる




「俺のために生きて?
っていうか俺と生きて」



「うん」



この瞬間を待っていたかのように
抱きしめあう






涙で

優くんの肩が
私の肩が濡れている





「花音ちゃん細くなった・・・
すぐ居なくなっちゃいそう」




ギュッ
っと抱きしめる力が強くなる




病気のせいで細くなった体


でも大丈夫

これからいっぱい食べるから
いっぱい体力つけて
優くんといっぱい遊べるようにするから



「居なくなんてならないよ」










「花音」

低い声がするたび心臓がバクバクする

「俺の事も呼び捨てで呼んでよ」

「ゆ・・・」

「早くっフフ」

「優」



「「好きだよ」」



唇が重なる



初めてのキスは
涙の味がした
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