SNOW
第三章〜出会い〜
事務所には、思ったより早く着いた。

「まだ九時半か…。」

…入っていいのだろうか。

「ねぇ、君!」

声のする方を見ると、俺と同い年くらいの男がいた。

「もしかして君、スカウト受けた?」

「え?う、うん。」

「よかったー!仲間だ!」

ということは…?

「え…、君も?」

「うん!俺、杉浦仁志(すぎうらひとし)。よろしく!」

「俺は福田竜斗。よろしく。」

がっちりと握手をした。

その手からは、期待と希望が溢れていた。

「ねぇ、仁志君って高校生だよね?」

「うん。高一だよ。」

「あ、一年なんだ。俺は二年だよ。」

「おぉ、先輩!」

「あはは。」

こいつ、すっげぇ楽しい!

なんとなくだけど、仁志となら、どんな苦痛も平気なような気がした。

「ねぇ、先輩だけどさ、普通に竜斗って呼んでいい?」

「ん?いいよ。俺も仁志って呼ぶ!」

「オッケー!」

初めて会ったやつで、こんなにも打ち解けたやつは、仁志が初めてかもしれない…。
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